酒壺の底の暗さや寒戻る


「頭の中がいっぱい」

まさにそんな状態の数日です。


家族を苦しめる俳句生活

 

「ここ数日、わたしも俳句疲れやわ」

妻が悲鳴を上げています。

 

今週末が某俳句新人賞の応募締め切り。

3月の講演の概要提出締め切りも本日・・・。

日中はクライアント仕事とヤギの世話。

夕飯後は俳句の選句と推敲。

読書して睡眠。

ある意味規則正しい生活になっています。

 

コンテスト用の選句は一度は終えたものの、見返すとどうしても納得のいかないものが出てきます。

「綺麗にまとまってるけど、読後に残像が残らない」

「どうも手垢がついた表現のような・・・」

自分の感性や理性が信じられなくなり、だんだんと追い詰められてきます。

非常に精神的にこたえる作業です。


その一方で。

毎晩のように選句と推敲作業に巻き込まれる妻にも異変が起こっています。

 

「なんか、体がかゆいねん」

 

ここ数日、体のあちこちを掻きむしっている妻。

極度の寒さによる炎症か、空気の乾燥か・・・原因が見当たりません。

 

「あ・・・、もしかしたら、俳句アレルギーかもしれん」

 

真顔で言われたときに、返す言葉がありませんでした。


「言い回しを変えるだけで、全然違う雰囲気の句になるなぁ」

「実感を伴っている句が多くて、情景が浮かんでくるね」

当初は某番組のひな壇芸人のような合いの手を入れてくれた妻も、今は低温度。

 

「これほんまに、暇な人しかできひんね・・・」

 

世の俳人はなんと答えるでしょうか。


「思いつきで良いから、ブログ用に一句詠んでくれへん?」

妻にお願いして生まれた、冗談とも本気ともつかない句がこちら。

 

カリカリとしている夫(つま)に寒波来る 奈央

 

 

川柳作家になることを勧めています。


今日の一句

 

酒壺の 底の暗さや 寒戻る

さかつぼの そこのくらさや かんもどる

季語:寒戻る・寒戻り(冬)

過去の作品ストックから。

備前焼風の大きな酒壺の底には、果てのない寒さが感じられました。


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